片手に夕飯の材料を持って、自分の住むアパートの鍵を開け中に入る
偶然ブラック☆スターに会って話をしたので帰りが遅くなった
今は夜の8時を少し過ぎたくらいだ
「ん?マカー?」
ただいまと言っても返事が返って来ない
部屋で本でも読んでんのかな?
そう思いながらリビングに入るとソファの上にマカがいた
いつもは2人で座るソファに仰向けに寝転び寝息を立てていた
お腹あたりには読みかけの分厚い本
死武専でいつも着ているシャツにネクタイ、赤でチェックのプリーツスカート
俺は呆れた顔をしてマカを見た
「そんなとこで寝たら風邪引くぜ全く・・・」
キッチンに袋を置いてマカの部屋から薄めの布団を持ってくる
広げてそっとかけようとして俺は動きを止めた
ちょっと近くで見たいな
ふと思い、ソファに布団をかけて背もたれと逆側に回り、しゃがみ込んだ
ソファの空いてるエリアに頬杖を付いてマカを見つめた
髪の毛さらっさらだなぁ
脚マジ細いなぁ折れちまいそう
肌スベスベだしなぁ
うわ、睫毛長っ
可愛いなぁ
そんなことを頭に巡らせながら自分に呆れる
こんなこと素で言ったらマカに殴られそうだ
俺は苦笑いした
その時マカが急に身じろぎした
「んー・・・・うんー」
「?!」
結構顔の距離が近かったもんだから驚いた
そろそろ布団かけてあげよう
可哀想だ
そして立ち上がった瞬間
「んんー・・・・ソウルぅ」
えっ?寝言?
俺呼んだ?
「んむ・・・・まだぁ?ご飯ー」
なんだよ
飯かよー
俺は残念そうにため息
ここで「ソウルぅ好きー」とか言ってくれたら可愛いのによ
「早く・・・・・帰って・・・・き、て」
え?
ああ、そうか
マカは俺をずっと待っててくれたんだな
遅かったからな
帰ったら遅いって怒られるだろうし謝ろうと思ってたんだ
でもよ、お前寝てると思ったんだもんよ
意地悪いなお前
俺を騙せた事は誉めてやるよ
「はいはい、ごめんな」
マカの頭を優しく撫でると彼女はゆっくり目を開けた
「ソウル」
「ただいまー」
「遅いよ」
「ごめん」
マカは寝転びながら少し頬を膨らませた
「お腹すいたか?」
「んーすいた」
マカを見てると優しくなれる気がする
でも今は違う気がする
「でも・・・・・」
「何だよ」
マカの顔が赤い
何か言いたい事があるらしい
俺は意地悪く先を催促する
「言えよ」
「あの・・・・・」
ソウルが
足りないなぁ
小さく聞こえたその言葉
聞き逃したりしない
「じゃぁお詫びしますよ。マカさん」
夕飯の前に
あなたを頂くとしますか
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